公開オークション

LOT 052

高松 次郎

鍵の影 No.204

JPY 3,000,000 - 5,000,000
HKD 149,000 - 248,400
USD 19,000 - 31,700
技法 油彩、木、フック
サイン 裏面にサイン、年代
額 未装
サイズ h33.0×w24.0×d8.0 cm
制作年 1968

HIGHLIGHT

高松は1964年に初めて制作した「影」シリーズによって若手作家の登竜門であったシェル美術賞を受賞。翌年にも同賞を受賞して以来、「影」シリーズは、高松が亡くなる1998年まで続く終生追い求めたテーマであった。「すべての立体は、一方から光を当てることにより、平面に影をおとす。人体や物体の詳細には全く触れず、その存在を打ち出そうとした。絵が人々に与えるインフォメーションを極力避けることによって、すべて見る側のイマジネーションの中に、その存在をゆだねたのだ。なにかを訴えかけるといった攻撃的なものは一切なくし、空気のような限りなく『無』に近い作品を目指したといってもいい。」高松は二次元でしか存在しえない絵画の中で、いかに三次元の物体を表現するかを考えた。実体のない影のみを描くことで、二次元の影から三次元の実体を想像させ、時間による影の変化をも表現することで四次元さえも取り入れている。これは絵画の限界を乗り越えようとするラディカルな試みであったと同時に、この世界の成り立ちを問う極めて哲学的な作品であった。絵画空間というのは画面のなか、あるいは奥にあるのではなく、画面のこちら側ではないか。高松は絵画空間/現実空間の問題を、影を描くというヨーロッパ絵画では古典的な主題に回帰しながら、影だけを描くという方法によって解決しようとした。物理的実在と視覚的認識とのずれを表現し、対象と人間との関係を問う高松の概念的な試みは、1960年代における物質をめぐる人間中心主義を終わらせ、言葉とものの関係を構造的に考える70年代美術の始まりの契機をつくり、関根伸夫や李禹煥らモノ派を初めとする同時代の美術家に大きな影響を与えている。高松はこの「影」シリーズをきっかけに、一躍現代美術界で脚光を浴び、1960年代以降の日本におけるコンセプチュアル・アートに大きな影響を与えることとなった。

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