| 技法 | 油彩、パネル |
| 額 | 額装 |
| サイズ | 30.4×60.8 cm |
| 制作年 | 1960 |
| 鑑定書 | 共シール |
| 文献 | 『山口長男作品集』、講談社、1981年、no. 183 |
| 展覧会歴 | 「1950-1960年代の展覧会展」 自由が丘画廊、1980年 |
| 来歴 | 個人蔵、日本 エスト・ウェストオークションズ、オータムセール香港、2010年11月26日、lot. 56 フィリップスニューヨーク、20世紀 & コンテンポラリーアート デイセール モーニングセッション、2017年11月15日、lot. 160 |
日本抽象絵画の先駆者であり、戦後日本美術を代表する画家・山口長男による希少な油彩作品である。
山口長男は、戦前から独自に非具象表現を追求し、戦後に独自の抽象絵画を確立した。本作は1960年に制作された作品で、パネルを支持体に用い、黒い下地の上へ赤褐色の絵具を幾重にも塗り重ねることで、重厚なマチエールと深みのある色彩を生み出している。簡潔な矩形の構成と、ナイフによる力強い筆致が調和し、静謐でありながら圧倒的な存在感を放つ優品である。
1960年代は、日本が戦後復興を遂げ、社会や文化が大きく変化した時代であった。美術界では新たな表現が次々と生まれ、抽象絵画も大きな発展を遂げる。その中で山口は、日本における抽象絵画の第一人者として重要な役割を果たし、国内外で高く評価された。1960年代にはニューヨークのグッゲンハイム美術館やニューヨーク近代美術館(MoMA)に作品が収蔵されるなど、早くから国際的な評価を獲得している。
本作は、山口長男が円熟期へ向かう1960年に制作された作品として、その芸術性を端的に示す一作であり、日本抽象絵画の歴史を語るうえでも重要な作品といえる。