| 技法 | 絹本、彩色 |
| サイン | 右上に落款 「此君亭深水筆」、印「月白山荘」 |
| 額 | 額装 |
| サイズ | 74.7×88.0 cm |
| 制作年 | 1938 |
| 鑑定書 | 共板、東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付 |
| 文献 | 『伊東深水全集 第二巻』、集英社、1982、no. 31、pp. 89 & 111 |
| 展覧会歴 | 第8回朗峯画塾展、1938年 |
| 来歴 | サザビーズ、ニューヨーク、1994年6月2日、ロット231 個人蔵、日本 |
この美人画の描かれた昭和13年(1938)当時、深水は初期浮世絵に傾倒したといわれるが、本作は松浦屏風の風情を想起させる作品である。また非常に蝶紋を好んだと言われおり、本作の浴衣にも蝶紋が取り入れられている。設えの調度の耳盥(たらい)にも金蒔絵が施され、掬った水が零れ落ちる様が精緻に描かれている。朝顔の描き方は桃山障壁画のスタイルを取り入れられたと想起され画面全体に静謐さが漂う。画面右上には「此君亭深水筆」の落款、その下に白文方印「月白山荘」とある。此君亭は深水のアトリエの雅号であったが、特に優れた美人画に用いられたことより本作は並々ならぬ力作と言えよう。印章に見える「月白山荘」」は戦前まで池上本門寺に上がる池上梅園北側に屋敷が構えられていた深水の画室をさす。その画室は朗峯画塾としても機能していた。本作は元々軸装であったため、軸の収まる箱の共蓋が、額装となった本作品の額裏に共板として付属しており、その標記より「朗峯畫塾第八回展覽會」出展作品であると認められる。