公開オークション

LOT 041

ベルナール・ビュッフェ

ビル・アケム橋

JPY 15,000,000 - 25,000,000
HKD 751,500 - 1,252,500
USD 95,500 - 159,200
技法 油彩、キャンバス
サイン 左上にサイン 右上に年代 裏面にタイトル、「galerie tamenaga」シール
額装
サイズ 114.0×146.0 cm
制作年 1989
鑑定書 ギャルリーモーリス・ガルニエのCéline LEVY氏に照会確認済
ギャルリーモーリス・ガルニエのアーカイブに登録済
文献 Yann Le Pichon," Bernard Buffet Vol. 3: 1982–1999", Maurice Garnier, Paris, 2007, p. 213 & 230, no. 1044
来歴 エスト・ウェストオークションズ、1995年6月13日、lot.325
現所有者が上記にて購入

HIGHLIGHT

フランス生まれのビュッフェは、第二次世界大戦後のフランスを代表する具象画家のひとりである。彼は15歳でパリ国立高等美術学校に入学し、1947年の初個展では国立近代美術館が彼の静物画をコレクションのひとつとして収蔵した。翌年には、20歳にして権威ある批評家賞を受賞し、同時代のピカソに並ぶ名声を得るなど、若くしてその才能を広く認められた。
彼の初期作品には落ち着いた色彩のものが多く、鋭利な輪郭線とその色彩は、第二次世界大戦後の不安をかき立てる。人物画が悲しげな表情や無気力さを表すのと同様に、彼の描く街並みは静けさやもの悲しさを漂わせており、当時のフランスの人々に強く共鳴した。
芸術の都パリは、ビュッフェの活動拠点のひとつであると同時に、風景画のモチーフとしても重要な役割を担っていた。彼は何十年にもわたり、パリの街並みを繰り返し描いている。本作品は晩年にあたる1989年に制作されたものである。生涯にわたり繰り返し描くなかで、ビュッフェの作品は徐々に色彩を帯びていき、とりわけ1980年代後半にはパリの風景が数多く制作された。本作が描かれた1989年は、その制作が集中的に行われた重要な年であり、エッフェル塔やセーヌ川をはじめとした観光地、伝統と発展がうかがえる建造物が主題として数多く採用されている。
本作において、画面に奥行きを生み出すようにまっすぐと描かれている橋は、パリの15区と16区をつなぐ「ビル・アケム橋」である。セーヌ川にまたがるこの橋は、下段が自動車と歩行者用、上段はパリメトロ6号線が通る線路という二層構造になっている。もともと歩道橋だったこの橋は、1900年のメトロ完成に伴い改築された橋である。支柱には、「科学」「労働」「電気」「商業」を象徴する石像が飾られている。曇天の下でありながら、水面に映るほど鮮やかな緑や船の朱色が差し色となり、初期作品とは異なる晩年ならではの自信がうかがえる。また、ビュッフェの最たる特徴である太く鋭い黒線は、初期のような憂鬱さを喚起するものではなく、むしろ力強さを感じさせる表現となっている。

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