| 技法 | アクリル、キャンバス |
| サイン | 裏面にサイン、タイトル、年代 |
| 額 | 額装 |
| サイズ | 122.0×244.5 cm |
| 制作年 | 2005 |
ジム・ダインは米国を代表する現代アーティストである。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインらとともにポップアートの中心人物としてみなされることが多い。その作品は絵画から彫刻まで多岐にわたっており、力強い筆致と豊かなマチエールを特徴とする。一方で詩人としての活動も重ね、文学的要素が作品の深みにつながっている。
彼の個展は、メトロポリタン美術館やポンピドゥーセンターなどこれまで世界の主要美術館・ギャラリーで300回以上開催されている。今年3月までウィーンのアルベルティーナで開催されていた展覧会も大きな評判となっている。
彼は1964年に新聞に掲載されたバスローブの広告を見て“そこに誰もいないのに自分に見える”と感じ、以降「バスローブ」を自画像と位置付け繰り返し描いている。
本作はその代表的なモチーフを二連画として描いた大型作品である。灰色を基調とする背景の上に、厚塗りやドリッピングされた絵具が幾層にも重ねられ、人物不在ゆえの強い存在感を発揮している。
ジム・ダインは大量消費社会の現実を軽やかに扱う“ポップ・アーティスト”という位置づけに距離を置いてきたが、自画像として内省的に描かれた本作の前に立つと、彼の意図することが理解できるだろう。