東西ニューアート 設立記念公開オークション

LOT 142

棟方 志功

炫火頌「羽丹生坂の柵」

JPY 1,500,000 - 2,500,000
HKD 79,100 - 131,900
USD 10,200 - 16,900
技法 板画(裏彩色)
サイン 余白にサイン、印               保田與重郎の歌 「羽丹坂 花咲く岸に 立つ未通女 春の永日の 誰が愛しき妻」
額装
サイズ sheet size : 54.4 ×35.2 cm image size : 49.2×31.2 cm
制作年 1972
鑑定書 棟方志功鑑定登録委員会鑑定書、        棟方巴里爾鑑定シール付 
文献 『棟方志功全集第6巻 詩歌の柵(2)』講談社、   1979年、No.23 & p.190、No.34

HIGHLIGHT

 本作は、文芸評論家の安田輿重郎の歌を板画にしたシリーズ作品の一作品である。保田氏とは長く親交があり、棟方が表紙や挿絵、装幀を行うきっかけを与えた人物であり、保田氏の『日本の橋』は棟方にとっての装幀の初仕事となった作品であった。亀井勝一郎や檀一雄等の著名作家から「天然の詩人」と称された保田輿重郎の「炫火頌」の歌は、どの歌も国を思う詩情豊かな作品であると棟方は語る。以前には吉井勇や谷崎潤一郎の歌を板画に作ったが、それとは全く違った世界感であるという。保田の国思いの歌に感銘し、その五十首完成ののち好きにできたものを発表しようと思っていると昭和31年刊行の『板画の道』で述べている。

 炫火頌は、全34柵の作品で昭和23・1948年~47・1972年に制作された作品郡で、本作は最後の昭和47年に制作されたものである。一際華やかで麗しい乙女像が魅力的である。

 保田 與重郎(明治43・1910年 - 昭和56・1981年)は、奈良県現櫻井市出身の文芸評論家。東大美学科を卒業。在学中より同人雑誌「炫火」を創刊。昭和7年「コギト」、10年に「日本浪曼派」を創刊、近代文明批判と日本古典主義を展開した。戦後は公職追放に処せられたが、24年には雑誌「祖国」を創刊、多数の著作を刊行した。主著に『日本の橋』、『戴冠詩人の御一人者』、『後鳥羽院』、『近代の終焉』等。棟方との共著に、『歌集 炫火頌』(1982年 講談社刊)がある。

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